〔見解〕政府がすすめる「昭和100年」キャンペーンに異議あり


政府がすすめる「昭和100年」キャンペーンに異議あり
私たちは憲法公布・主権在民80年の意義を語ろう

 日本政府は、昭和元年から100年に当たる2026年を「昭和100年」として関連施策をすすめるとともに、4月29日に、高市早苗首相を式典委員長として「昭和100年記念式典」開催を計画しています。

 戦前の4月29日は昭和天皇の誕生日=天長節とされ、天皇制における重要な祝祭日でした。子どもたちは小学校(国民学校)入学の4月から教材「テンチャウセツ」で、「天皇陛下は我が大日本帝国をお治めになる最も尊い御方」「私たちはみな天皇陛下の臣民である」と教えられ、天長節当日は日の丸の掲揚、天皇の写真への最敬礼、教育勅語の奉読、君が代の斉唱が求められました。戦後1948年の祝日法改正で天長節は廃止されましたが、2007年に「昭和の日」とされ、今日に至っています。

 私たちは、政府がすすめる「昭和100年」キャンペーンについて以下の問題があると考えます。


(1)日本国憲法の主権在民の原則に反する

 日本国憲法のもとで、天皇は「国政に関する権能を有しない」とされました。しかし、歴代政権は紀元節(「建国記念の日」)の復活、元号や日の丸・君が代の法制化など戦前回帰の政策をすすめてきました。今回の昭和100年記念式典は、高市政権が改憲をめざし、「天皇を戴く国家」(自民党改憲案)づくりを狙う中で開かれます。衆・参両院議長や国会議員などの参列を得て式典を挙行することは近代天皇制の記念日を称揚するものであり、日本国憲法の主権在民の原則と相いれません。


(2)過去から現在に続く問題を覆い隠す

 政府は戦前・戦中・戦後を含む「昭和」を「未曽有の激動と変革、苦難と復興の時代」と位置づけています。これは日本国家が行った侵略戦争や植民地支配、治安維持法による弾圧、戦後の政治・外交の歪みや昭和天皇が政治上果たした役割などの問題を「激動」や「苦難」の表現で覆い隠すものです。

 実際に、政府主催の「昭和100年」の有識者会議で、戦争の歴史については、「平和祈念の展示はやらざるをえないのではないか」と消極的に触れられている程度です。一方、「朝鮮特需などで需要が創出されるという好影響があった」「昭和の時代は公害問題が台頭したが、1970年代から90年代に相当エネルギーを費やして収束」などとしており、朝鮮戦争への日本の協力や、現在も健康被害からの救済やその補償を巡る裁判が続いている公害問題などへの認識にも問題があります。


(3)高市政権がすすめる軍事大国化に結びつけるもの

 政府は、「昭和100年」の「基本的な考え」で、「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している」「国際社会の安定と繁栄への貢献につなげていく」としており、高市政権がすすめる大軍拡と改憲など軍事大国化と軌を一にしています。

 また、「昭和100年」を通して、「希望あふれる未来を切り拓く機会」にするという方針は、戦前・戦中・戦後の歴史をめぐる否定的な意見を言いづらくさせる効果も狙ったものだと思われます。


 今年は、日本国憲法公布80年であり、主権在民80年です。私たちは、「昭和100年」ではなく、天皇が「統治権の総覧者」とされた大日本帝国憲法から、主権在民や基本的人権、戦争放棄を定めた日本国憲法への転換の歴史的、また現代的意義こそ、草の根から語り広げることを呼びかけるものです。


2026年4月21日

「建国記念の日」反対大阪連絡会議



「建国記念の日」反対大阪連絡会議

戦前、「紀元節」は、初代神武天皇即位の日とする天皇制国家の重要な祝祭日でした。  戦後、「紀元節」の復活をねらう政府は、1966年に「紀元節の日」であった2月11日を「建国記念の日」と制定しました。「建国記念の日」は主権在民を基本とする憲法の民主主義的原則に反し、歴史の真実を歪めるものです。