2026年第60回 中村江里さん(上智大学文学部史学科准教授)が講演

 第60回「建国記念の日」不承認2・11大阪府民のつどいが、11日、大阪市天王寺区で開かれ、193人が集まりました。


記念講演
終わらない戦争のトラウマ~子や孫へ連鎖する元兵士たちの心の傷と暴力~

 海外派兵された自衛隊員のメンタルヘルスの問題が明らかとなる中、「終わらない戦争のトラウマ」をテーマに、上智大学文学部史学科の中村江里准教授が記念講演しました。

 中村氏は、アジア・太平洋戦争で精神疾患兵士の増加が問題にならなかった背景に、疾患の要因が個人の素質や帰郷願望にされたと指摘。日本軍が天皇のために死ぬことを至上命題しており、生き残ったことへの罪悪感や地域・家族からの疎外感がトラウマを語ることを困難にしたと話しました。

 戦後、元兵士たちの怒りの爆発や暴力、依存症が、妻や子どもたちに影響を与えたことを紹介し、「八〇年前の戦争トラウマのことがようやくわかってきたところ。戦争をすると長期的な影響があることを私たちは広めていかないといけない」と締めくくりました。


意見発表
治安維持法で投獄された父―戦争に反対し診療所をつくった、その思想が罪に―

 意見発表で、父が治安維持法の犠牲者である柏木功さんが、「父は拷問を受けたと思うが、一切語らなかった。何も言っていないことに意味がある」と発言。大阪府内で検挙・投獄され、獄死・病死した人々の一覧を示し、「軍隊で反戦ビラをまいたことで、『非国民だ』と吊るしあげられて精神を病んで亡くなった方もいる。せめて無名の人たちがいたことを知ってほしい」と語りました。

 文化行事としてチェリストの吉田円香さんが登壇。平和主義者だった音楽家カザルスの言葉を紹介し、「平和を願って演奏したい」と「鳥の歌」などを演奏しました。


 参加者からは、「戦争準備がすすめられている現在に戦争トラウマの事実を広く知らせていくことが大切だと思った」「今の問題の根っこに戦争の影響があるという気づきはとても貴重でした」などの感想が寄せられました。

「建国記念の日」反対大阪連絡会議

戦前、「紀元節」は、初代神武天皇即位の日とする天皇制国家の重要な祝祭日でした。  戦後、「紀元節」の復活をねらう政府は、1966年に「紀元節の日」であった2月11日を「建国記念の日」と制定しました。「建国記念の日」は主権在民を基本とする憲法の民主主義的原則に反し、歴史の真実を歪めるものです。